夜風のささやき

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秋の旅 名古屋編。

名古屋 11月9日、10日

大した用事でもないのにふらっと旅に出るといういつものパターンだ。
ここ三年は名古屋に知り合いが増えたので毎年訪れている。
今回は毎月、東京日暮里まで特別授業で外国語の学習の仕方を教えて頂いているマサ先生に会って親交を深めようと名古屋まで乗り込んだのである。東京だとマサ先生は引っ張りダコで僕なんかがゆっくりお話しが出来る方ではない。名古屋でなら時間があると聞いておしかけたのである。

宿は名古屋駅から地下鉄で20分の新瑞橋にある。マサ先生とはその改札で待ち合わせて先生の行きつけの割烹に連れて行って頂く。
店にはなんと社会保険労務士の資格を前日に取得したばかりというTさんが先に来ていて先生に紹介された。まだ若い方で30代前半の好青年。今回の試験の合格率は6%切ったそうである。本当に優秀だ。
特に親交を深める以外、目的もない飲み会であったが話は四方八方に及び、楽しく飲めた。生ビールの後はワインを頂いた。
中国では飲み会でお互いを見てビジネスを進めると中国通 学院の専任講師、中国ネイティブのニャンコ先生が教えてくれた。
もっともニャンコ先生は酒飲まないからいつも猫かぶってるということか(^^)
日本でも酒を飲むのは人を見抜くというより親交を深めるその傾向がある。そのバランスが微妙に違うかも知れない。

僕は元は無口である。新人で会社に入った時にはあまり喋らないんで上司が役員会に訴えたと言うエピソードもある。嘘だと言う人もいるが。
まあ、今回はかなり喋った方でアルコールの勢いもあったと思う。何か失礼な事を言って嫌われていないか心配をしながら宿に帰った。しかし、マサ先生はかなりの酒豪だ。
宿ではコロンと寝た。

次の日は名古屋から安曇野に行くつもりだった。ここには高校の先輩と後輩が結婚して住んでいる。
しかし、16時の列車で行くので名古屋近辺をドライブしようとマサ先生に車を出して頂いた。
雨模様だったのでありがたい。また、僕は目が悪く運転出来ないが助手席に乗ってドライブするのが大好きである。
思い切って織田信長が今川義元を破った桶狭間合戦場跡に行くことにした。

宿から1時間程車に乗る。名古屋は広い。都市部としては大阪より大きいような気がする。
桶狭間合戦場跡は公園と碑があるだけであとは何にもない。もっとも日本中の古戦場跡はほとんどこんなもんである。司馬遼太郎みたいに今でも現地で地形を読み解き、当時を推理することは出来ない。専門家に言わせると、ほとんどの古戦場跡は実際とずれてるそうだ。しかし僕にとってはそこに行き着くことに意義がある。普通に来ていたらここまで来れない。

次は、東海道五十三次の宿場町、有松を訪れた。
ここは有松絞りで有名だ。
綺麗に保存してある宿場町の一角に絞り工芸資料館がある。
僕は染めものに造詣は深くないがこの技法には興味を持った。
資料館の一階は絞り染の商品が陳列してある。値段はピンキリある。
二階は有料で、絞り染の紹介ビデオの上映や加工に使う道具などが陳列してあった。
廊下には年配の女性が絞りの工程を実演していた。
思わず、何年くらいで一人前になるんですか?と聞いたら、彼女たちは50年近くやってるが一生修行だ、と答えてくれた。
本当に手先が器用に動いて精密な機械が動いているようだった。多分僕だったら100年修行してもだめだろう。

名古屋駅まで行く途中熱田神宮や名古屋の町並みをゆっくり見ながらドライブをした。マサ先生の穏やかな口調が耳に心地よい。流石に語学の先生だからか?
昼には名古屋名物味噌煮込みうどんの店に寄った。店は満員で少し待ったがゆったりとしたちゃぶ台につけた。
味噌煮込みうどんはきしめんが入っているものと思っている方も多いが、実は違う。麺はきしめんみたいにデロレンとした食感ではなく、麺は丸く腰と言うより芯がある感じだ。少し歯ごたえがある。スイトンをうどん状にこねた感じ、と言えば当たるだろうか?
この麺は八丁味噌に良く合う。きしめんだと麺と味噌が絡み過ぎて少々しつこいかも知れない。

名古屋駅につき松本行きの特急まで少々時間があるので赤福を買う。別れの際、改札でもマサ先生は最後まで見送ってくれた。

安曇野編につづく

※M先生はマサ先生に、
S先生はニャンコ先生と表記させて頂くことにいたしました。




有松の古い街並み。
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桶狭間碑
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味噌煮込みうどん店。
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