夜風のささやき

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断片的な思い出 小2の作文集から6 「本をよんで」

昭和41年6月7日

  本を読んで
            てづかはじめ

アリババと四十人のとうぞくをよみました。
アリババはふしぎなとびらをみつけました。その中には金やぎんがたくさんはいっていました。そしてはいってみたらだれかがしんでいました。「だれだろう」とアリババがいいました。とびらがしまりました。「ひらけまめ」といってもあきません。「ひらけむぎ」といってもあきません。そしてかんがえていました。そこがおもしろかった。
<先生のコメント>
くわしく読んでいましたね。おもしろいところがとてもよくかけています。

<解説>
なんとなく憶えている。映像が浮かんでくるということは映画なんかもみたのだろう。
原文では「読」という字を書くのを苦労したようだ。すごく大きな字になっている。感想文の初めてのものかな。
母が将来の僕のために今は無き河出書房の日本文学全集を毎月購入していたので、わりと小さい頃から書物は好きだった。でもこの頃はまだ小2、さすが文学全集はよもこなせなく、おまけに興味は怪獣やウルトラマンだった。
夏休みに無理やり読まされたのだが、多分映画を観てその印象ををすり替えて綴ったのだろう。

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